セブン銀行ATMで偽造クレジットカード被害14億円|カード業界ニュース

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2016年5月15日、偽造クレジットカードを使った大規模な現金引き出し事件が発生したそうです。
14億円不正引き出し 「出し子」は100人以上か
NHK NEWS WEBより

犯行手法
  • 南アフリカのスタンダード銀行が発行したクレジットカードの情報が流出
  • 流出したカード情報を、磁気テープに登録して、偽造カードを大量に作成
  • 日本全国のセブンイレブンの銀行ATMで偽造カードを使い、犯人がグループで現金を引き出し
なぜセブン銀行ATMが狙われたのか
  • セブン銀行のATMは海外で発行されたクレジットカードのキャッシングが可能
  • セブンイレブン、イトーヨーカドーなど、設置数が多い
  • ATMの操作が12言語対応(英語および日本語・中国語(簡体字)・中国語(繫体字)韓国語・タイ語・マレーシア語インドネシア語・ベトナム語・フランス語・ドイツ語・ポルトガル語)

犯人が誰だかはまだわかりませんが、多言語対応しているATMであれば、「出し子」の幅も広がってしまうということなのでしょう。
オリンピック、インバウンドブームで海外クレジットカード対応や多言語対応をしている金融業の裏を付くような犯罪ですね。

偽造カードによるキャッシング犯罪は以前から発生していますが、今回の事件は、いろいろ注目すべき点があります。

注目すべき点
  • 短時間で大量の引き出し:3時間の間に14,000回の引き出しが行われたそうです。限度額10万円の引き出し×10回×1,400台のATMという犯行から、ニュースでは100人以上の「出し子」がいたのではないかと書かれています。
  • 14億円という金額:上記の引き出しの結果、総額は14億円となりました。
  • 対象エリアは全国:犯行は東京、大阪など、全国17都道府県で行われたようです。かなり広範囲の犯行です。
  • 休日を狙った犯行:日曜日の午前5時〜8時という、事件への対応が難しそうな時間が狙われました。
  • セブンイレブンのATM:監視カメラが備えられているセブンイレブンのATMで引き落としするのは、かなり大胆な手法ですね。
  • 焼肉店カード:不正扱いでATMに保管されたカードは、中国語が書かれた焼肉屋のカードだったそうです。
  • 6枚しか不正扱いされなかった:ATMで不正扱いと判別されてロックされたカードは6枚だけ。他のカードはパスされてしまい、14億円が引き落とされました。

100人で手分けして1,400台のATMで引き落としをしたとして、一人14か所。
3時間以内に終えるためには、一か所にかけられる時間は12分。
10分以内で10回キャッシングして、次のATMに2分で移動、という作業を連続14か所、100人がミス無く行ったということなのでしょうか・・・
焼肉屋のカードというのも、悪い冗談みたいですね。
カードの版面の識別などがATMで行われていないことがわかってしまいます。
突然大量短時間に海外のクレジットカード会社のキャッシングが発生しても、何のアラートもロックも行われないことも驚きです。

なんとも小説のような事件ですね。
真保裕一の「奪取」を思い出しました。
このような企画力、プロジェクトマネジメント能力、実行力を、犯罪では無く良いことで使ってもらえば、とても素晴らしいと思うのですが。

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